直接話法と間接話法の解説

1.話法の種類

話法とは、誰かの言葉を第三者に伝える方法のことです。そして話法には、直接話法間接話法の2種類があります。

話法は2種類
・直接話法:話したことをそのまま伝える方法
・間接話法:話したことを自分の言葉に直して伝える方法

1 直接話法

主語+said to+人, “〜.”

直接話法とは、話したことをそのまま伝える方法です。日本語でカギカッコを使う表現と同じです。

英語では引用符 ( ” ) を使います。

例文:
Masao said to me, “I’m hungry.”
(マサオは僕に「お腹が減った」と言った。)

2 間接話法

主語+told+人+that+〜.

間接話法とは、話したことを自分の言葉に直して伝える方法です。カギカッコや引用符は使いません。

例文:
Masao told me that he was hungry.
(マサオは僕に自分はお腹が減ったと言った。)

2.話法の転換

ここでは、直接話法から間接話法にする方法を紹介します。

1 平叙文(普通の文)の場合

以下の6ステップが話法の転換です。

1. said to → told に変える
2. that をつける(省略できます)
3. 引用符とコンマを取る
4. “ ” 内の代名詞を変える
5. “ ” 内の動詞を変える
6. “ ” 内の副詞を変える

では実際に、この手順に従って変換してみます。
次の直接話法を間接話法に転換します。

例文:
She said to me, “I am reading a book now.”
(彼女は私に、「私は今本を読んでいるの」と言った。)

1. said to → told に変える

→ She told me, “I am reading a book now.”

2. that をつける(省略できます)

→ She told me that, “I am reading a book now.”
※実際には省略されることのほうが多いです。

3. 引用符とコンマを取る

→ She told me that I am reading a book now.

4. “ ” 内の代名詞を変える

→ She told me that she am reading a book now.
※客観的な判断をして代名詞を変えて下さい。

5. “ ” 内の動詞を変える

→ She told me that she was reading a book now.
※特に時制は要注意です。

6. “ ” 内の副詞を変える

→ She told me that she was reading a book then.
(彼女は私にその時彼女が本を読んでいると言った。)
※副詞をどのように変化させるのかは、ページ下3.をご覧下さい。

これで完成です。特に、時制と副詞の変化には注意して下さい。

2 疑問詞のある疑問文の場合

以下の8ステップです。

1. said to → asked に変える
2. 疑問詞をそのまま接続詞にする
3. 引用符とコンマを取る
4. “ ” 内の代名詞を変える
5. “ ” 内の動詞を変える
6. “ ” 内の副詞を変える
7. “ ” 内の語順を平叙文にする
8. ? → . にする

では実際に、この手順に従って変換してみます。
次の直接話法を間接話法に転換します。

例文:
She said to me, “What are you looking for now?”
(彼女は私に、「あなたは今何を探しているの」と言った。)

1. said to → asked に変える

→ She asked me, “What are you looking for now?”

2. 疑問詞をそのまま接続詞にする

→ She asked me, “what are you looking for now?”
※実際には省略されることのほうが多いです。

3. 引用符とコンマを取る

→ She asked me what are you looking for now?

4. “ ” 内の代名詞を変える

→ She asked me what are I looking for now?
※客観的な判断をして代名詞を変えて下さい。

5. “ ” 内の動詞を変える

→ She asked me what was I looking for now?
※特に時制は要注意です。

6. “ ” 内の副詞を変える

→ She asked me what was I looking for then?
※副詞をどのように変化させるのかは、ページ下3.をご覧下さい。

7. “ ” 内の語順を平叙文にする

→ She asked me what I was looking for then?
※この手順は見落としがちです。

8. ? → . にする

→ She asked me what I was looking for then.
(彼女は私にその時私は何を探しているのか尋ねた。)

これで完成です。特に、時制と語順と副詞の変化には注意して下さい。

3 疑問詞のない疑問文の場合

次の8ステップです。疑問詞のある場合とは、2番の手順だけが異なります。

1. said to → asked に変える
2. if か whether を接続詞にする
3. 引用符とコンマを取る
4. “ ” 内の代名詞を変える
5. “ ” 内の動詞を変える
6. “ ” 内の副詞を変える
7. “ ” 内の語順を平叙文にする
8. ? → . にする

では実際に、この手順に従って変換してみます。
次の直接話法を間接話法に転換します。

例文:
She said to me, “Will he come tomorrow?”
(彼女は私に、「彼は明日来るの」と言った。)

1. said to → asked に変える

→ She asked me, “Will he come tomorrow?”

2. if か whether を接続詞にする

→ She asked me if , “Will he come tomorrow?”

3. 引用符とコンマを取る

→ She asked me if Will he come tomorrow?

4. “ ” 内の代名詞を変える

→ She asked me if Will he come tomorrow?
※客観的な判断をして代名詞を変えて下さい。

5. “ ” 内の動詞を変える

→ She asked me if would he come tomorrow?
※特に時制は要注意です。

6. “ ” 内の副詞を変える

→ She asked me if would he come the next day?
※副詞をどのように変化させるのかは、ページ下3.をご覧下さい。

7. “ ” 内の語順を平叙文にする

→ She asked me if he would come the next day?
※この手順は見落としがちです。

8. ? → . にする

→ She asked me if he would come the next day.
(彼女は私に彼が次の日来るのかどうか尋ねた。)

これで完成です。疑問詞のあるなしでは、接続詞だけが違ってきます。

3.副詞の変化

直接話法から間接話法に変換する場合、副詞を適切な形に変えなければなりません。
その変化の仕方を表したものが下の表です。

直接話法 間接話法
this (これ) that (あれ)
these (これら) those (あれら)
here (ここ) there (あそこ)
now (今) then (その時)
today (今日) that day (その日)
tonight (今晩) that night (その晩)
this week (今週) that week (その週)
yesterday (昨日) the day before (その前日)
the previous day
last week (先週) the week before (その前週)
the previous week
tomorrow (明日) the next day (その次の日)
the following day
next week (来週) the next week (その次週)
the following week
〜 ago 〜 before

基本的には、すべてこの表に従って変化すればOKです。
ただし、下のような場合には注意が必要です。

例文:
She said to me yesterday, “I will go shopping tomorrow.”
(彼女は昨日私に「私は明日買い物に行く」と言った。)

昨日「明日買い物に行く」と言ったわけですから、買い物に行くのは今日ということになります。

従って、
→ She told me yesterday that she would go shopping today.
(彼女は昨日私に彼女が今日買い物に行くと言った。)

このように ( tomorrow → today ) 変化させなければなりません。
上の変化表を覚えたうえで、臨機応変に対応できるようになって下さい。