ちょいデブ親父の英文法


分詞構文

分詞構文の働きopen
まずは例文を見て下さい。

例文:
Having no money, I didn't buy the book.
(お金が無かったので、その本を買わなかった。)

この文には接続詞がないのに、「~ので」と、接続詞があるような意味になっています。
では、この文を接続詞を使って書き換えてみましょう。

Because I had no money, I didn't buy the book.

このようになります。

上の文のように、「接続詞+主語+動詞+~ → 分詞+~」の形になったものを分詞構文といいます。
極端に表現すると、「接続詞と主語を省略して分詞で表した文」のことです。
分詞構文の意味open
分詞構文の意味は大きく分けると5つあります。

・~だから(since, because)
・~の時(when)、~の後(after)
・~ながら(while)
・~ならば(if)
・~としても(though)

これらすべての意味を分詞構文は持っています。
ということは、いままでこれらの接続詞を使ってきた文は、すべて分詞構文に書き換えられるということです。
書き換えの解説は後々しますので、まずはこれらの意味と下の例文をまるまる暗記して下さい。

例文:
[理由]
Having a cold, I saw a doctor yesterday.
(風邪をひいたので、私は昨日医者にみてもらいました。)

[時間]
Going to Tokyo, he watched a baseball game at the stadium.
(東京に行ったとき、彼は球場で野球を見ました。)

[同時]
Walking down the street, I found a 1000-yen bill.
(道を歩いていると、1000円札を見つけた。)

[条件]
Studying hard everyday, you'll pass the exam.
(毎日熱心に勉強すると、君は試験に合格するだろう。)

[譲歩]
Admitting that you completed it, I can't trust you.
(君がそれを完成したことは認めたとしても、僕は君を信用できない。)

例文さえ覚えてしまえば、あとはパターン化できます。
しっかりと覚えて下さい。
分詞構文の書き換えopen
分詞構文からの書き換え

では、順を追いながら例文を書き換えてみます。

例文:
Having a cold, I saw a doctor yesterday.


a.日本語に訳して、どの接続詞が適当か選ぶ。

コンマの前後を訳してみて、接続詞を断定します。
「風邪を引く」と「昨日医者にみてもらった」の2文をつなぐには、“~ので” が適当です。
だから because を使います。
Because having a cold, I saw a doctor yesterday.


b.主語を見つける。

コンマ以下の文と同じ主語にします。
だから I を使います。
Because I having a cold, I saw a doctor yesterday.


c.時制を判断し、分詞をその時制に合わせる。

コンマ以下の文が過去形なので分詞を過去形にします。
だから had を使います。
Because I had a cold, I saw a doctor yesterday. (完成)

a ~ c さえできれば、他に変更する部分はありません。
どうですか、最初は難しいと思います。
何回も練習して、パターンを覚えて下さい。
では、1.1にある残りの例文も書き換えておきます。

[時間]
When he went to Tokyo, he watched a baseball game at the stadium.

[同時]
While I was walking down the street, I found a 1000-yen bill.
※ while は同時を表すので進行形を使う場合もあります。

[条件]
If you study hard everyday, you'll pass the exam.

[譲歩]
Though I admit that you completed it, I can't trust you.

分詞構文への書き換え

1とは逆の書き換えです。
これもパターンさえ覚えれば、あとは単語を変えるだけで応用できます。

例文:
Because I overslept this morning, I was late for school.
(私は今朝寝坊したので学校に遅れました。)

この文を分詞構文にしてみます。


a.接続詞を省く

接続詞は Because です。これを省略します。
Because I overslept this morning, I was late for school.


b.主語を省く。ただし、異なる場合は残す。

コンマの前後で主語が同じならば省略します。
しかし、異なれば残さなければいけません。
この文は両方 I なので省略します。
Because I overslept this morning, I was late for school.


c.動詞を分詞にする。

過去形でも現在形でも -ing にします。
Because I Oversleeping this morning, I was late for school.

これで完成です。
これもたくさん練習して、パターンを覚えて下さい。
主語の異なる文の分詞構文(独立分詞構文)open
コンマの前後で主語が違う場合は、主語を省略することはできません。
このような分詞構文を、独立分詞構文と呼びます。

例文:
If it is fine tomorrow, I will go hiking.
(もし明日が晴れなら、私はハイキングに行きます。)

この文を分詞構文にしてみます。


a.接続詞を省く

これは主語が同じ文と変わりません。
接続詞は If です。これを省略します。
If it is fine tomorrow, I will go hiking.


b.主語を省く。ただし、異なる場合は残す。

主語は it と I です。
異なるので残します。
If it is fine tomorrow, I will go hiking.


c.動詞を分詞にする。

動詞は is なので、原形に ing をつけて being にします。
If It being fine tomorrow, I will go hiking.

これで完成です。
英語が得意な人ほどこの形に違和感を持ちますが、使っていくうちにすぐに慣れます。
受け身の分詞構文open
これはすごく出題されます。
しっかりと覚えて下さい。

例文:
Because I was stolen my bag, I couldn't go there.
(カバンを盗まれたので私はそこに行けなかった。)
気の毒なこの文を分詞構文にしてみます。


a.接続詞を省く

これまでと同じ方法です。
接続詞は Because です。これを省略します。
Because I was stolen my bag, I couldn't go there.


b.主語を省く。ただし、異なる場合は残す。

これまでと同じルールです。
この文は両方 I なので省略します。
Because I was stolen my bag, I couldn't go there.


c.動詞を分詞にする。

これまでと同じです。
動詞は was なので being にします。
Because I being stolen my bag, I couldn't go there.


d.受け身の being は省略する。

そうです、受け身の分詞構文にはこんなルールがあるのです。
だからこそよく出題されます。
Because I being Stolen my bag, I couldn't go there.

「Stolen my bag, I couldn't go there.」
これでやっと完成です。
受け身の being は省略することを覚えて下さい。
独立分詞構文の慣用句open
Generally speaking

意味:「一般的に言って」

例文:
Generally speaking, the young are more vital than the elderly.
(一般的に言って、若者は年配者よりも活気がある。)

Judging from

意味:「~から判断すると」

例文:
Judging from the sky, it will rain soon.
(空から判断すると、すぐに雨が降りそうだ。)

Frankly speaking

意味:「率直に言うと」

例文:
Frankly speaking, you failed.
(率直に言うと、君は落第した。)
否定文の分詞構文open
次は not のある文を分詞構文にしてみます。
手順は肯定文と同じですが、 not が文頭に来ることに注意して下さい。

例文:
Though you did not do it, you should apologize to her.
(君がそれをやっていないとしても、彼女に謝るべきだ。)

この否定文を分詞構文にしてみます。


a.接続詞を省く

接続詞は Though です。
これを省略します。
Though you did not do it, you should apologize to her.


b.主語を省く。ただし、異なる場合は残す。

コンマの前後で主語が同じならば省略します。
この文は両方 you なので省略します。
Though you did not do it, you should apologize to her.


c.動詞を分詞にする。

do を doing にします。
Though you did not doing it, you should apologize to her.


d.助動詞を省き not はそのまま。

助動詞の did を省きます。
そして、not はそのままです。
Though you did Not doing it, you should apologize to her.
「Not doing it, you should apologize to her.」これで完成です。
助動詞を省いて not を文頭にすることを忘れずにして下さい。

また、never を使う否定文もあります。
never に関しても、手順は not と場合と全く同じです。
ただ、never 自身は、分詞の前後どちらに置いてもOKです。

例文:
Because I have never been to USJ, I don't know what it is like.
(僕はUSJに行ったことがないので、どんなのか知らない。)
Never having been to USJ, I don't know what it is like.
Having never been to USJ, I don't know what it is like.
付帯状況を表すwith+独立分詞構文open
独立分詞構文とは、コンマの前後で主語が違う分詞構文です。
これに with をつけて、付帯状況(~を…して)を表します。

with+名詞+-ing この形になります。
-ing ではなく過去分詞の時もありますので、両方の例文を挙げます。


with+名詞+-ing

例文:
A cat was walking with its eyes shining in the moon.
(猫が月光に目を輝かせて歩いていた。)


with+名詞+過去分詞

例文:
He sat on the chair with his legs crossed.
(彼は足を組んでイスに座った。)

この文は本来
He sat on the chair and his legs were crossed.
この形です。
これを、with+独立分詞構文にすると、

He sat on the chair with his legs being crossed.

受け身の being が出来てしまいます。
受け身の being は省略するので、過去分詞が使われています。
完了形の分詞構文open
完了形の分詞構文は、動詞ではなく have を having にして表します。

例文:
After I had finished my homework, my mother came home.
(私が宿題を終えた後、母が帰ってきた。)

やり方はを解説します。
特に最後は注意して下さい。


a.接続詞を省く

接続詞は After です。
これを省略します。
After I had finished my homework, my mother came home.


b.主語を省く。ただし、異なる場合は残す。

コンマの前後で主語が同じならば省略します。
この文は両方 I なので省略します。
After I had finished my homework, my mother came home.


c.have を分詞にする。

have を having にします。
After I Having finished my homework, my mother came home.

「Having finished my homework, my mother came home.」これで完成です。
動詞ではなく have を分詞にすることを覚えて下さい
接続詞のある分詞構文open
意味をハッキリさせるとき、分詞構文なのに接続詞がある場合があります。

例文:
Walking in the park, I found a purse.

この文は、
「私が公園を歩いていた、財布を見つけた。」
「私が公園を歩いていると、財布を見つけた。」

どちらも解釈できます。
こんな場合は、誤解を避けるために分詞構文だけど接続詞をつけます
この場合、以下のどちらでもOKです。

When walking in the park, I found a purse.
(When I walked in the park, I found a purse.)
「私が公園を歩いていた、財布を見つけた。」

While walking in the park, I found a purse.
(While I was walking in the park, I found a purse.)
「私が公園を歩いていると、財布を見つけた。」
and の意味をもつ分詞構文open
分詞構文の中には、そして~(and)を意味する場合もあります。

例文:
The bus arrived at seven, and started at eight.
= The bus arrived at seven, starting at eight.
(バスは7時に到着し、8時に出発した。)

分詞構文は覚えることが多すぎて大変です。
でも、諦めずにコツコツ頑張って下さい。