ちょいデブ親父の英文法


詳しい未来形

willの使用法open
今思いついた未来のこと

中学校で、未来形の作り方を「will+動詞の原形」と習います。
では、いったいどのような場合に will で未来を表すのでしょうか。
その答えは、今思いついた未来についての場合です。
以下の例文をご覧下さい。


例文1

A: Do you remember to write a letter?
B: Oh, sorry. I'll do it this afternoon.
A: 手紙を書くこと覚えてる?
B: あ、ごめん。午後に書くよ。

この場合、Bさんが手紙を書くことを忘れていたのを暗に意味します
もし、Bさんが元々午後に書く予定をしていたのなら、be going to を使わなければなりません。

A: Do you remember to write a letter?
B: Yes, I'm going to do it this afternoon.
A: 手紙を書くこと覚えてる?
B: うん、午後に書くつもり。

中学校で「will=be going to」と習いますが、両者には微妙な意味の違いがあります


例文2

We will go abroad this summer.
(私たちはこの夏海外にいく予定です。)

中学校の教科書に出てくるような例文です。
しかし、この例文をネイティブが見ると少し違和感を覚えるはずです。
なぜなら、will は「今思いついたこと」を伝える場合に使うからです。
「私たちはいま海外に行くことを思いついた」というのは、あまりにも突拍子すぎます。
もちろん、状況によってはごく普通の文になる可能性もありますが、やはりこの場合は will を使って表すには不自然です。

未来の断言

例文

You will wake up at six tomorrow.
(あなたは明日6時に起きる予定です。)

何の変哲もない will を使った例文ですが、この will にも隠れた意味が含まれています。
この will には、「話し手の未来の断言」が含まれています。
もっともらしい日本語に直すと次のようになります。

You will wake up at six tomorrow.
(あなたは明日6時に起きるだろう。)

他人の起きる時間を、これほどまでに自信を持って言える人はいないのではないでしょうか。
ただこの場合、話し手が「あなたは明日6時に起きる」理由を知っているのならば話は別です。
例えば、

・毎週~曜日の6時からの番組を必ず見ることを知っている
・明日の朝7時の新幹線に乗らなければならないことを知っている

このような「断言できる理由」がある場合は、will を使っても変ではありません。
be going toの使用法open
予定していること

中学校で未来形を「will = be going to」と習います。
では、この両者に違いはあるのでしょうか。
実は、be going to を使う未来形は予定していることを表す場合に使われます。


例文1

I'm going to go to America.
(私はアメリカに行く予定です。)

be going to は「予定していること」を表すので、「私」が「渡米」を予定していることを意味します。
しかし、これだけではわかりにくいと思いますので、will を使った文と比較してみます。


例文2

I'll to go to America.
(私はアメリカに行く予定です。)

will を使った文です。
「will = be going to」なので、文法的には間違いはありません。

しかし、will のページで考察している通り、will は「今思いついたこと」を表します
従って、例文1と2には微妙な意味の違いがあります。

I'll to go to America.
(私はアメリカに行く予定です。)
※いま行くことを思いついた

I'm going to go to America.
(私はアメリカに行く予定です。)
※すでに行く予定をしている

このように、be going to は「すでに予定していること」を表す場合につかいます。
完全に「will = be going to」であるわけではありません

現状から判断して予測できること

例文1

不景気で職を失い、預金も底をついた時の台詞。

We're going to lost my house.
(家を失ってしまうのね。)

「無職」+「貯金ゼロ」という現状から考えて、家を失ってしまうことは十分に考えられます。
これを will で表してみます。


例文2

We'll lost my house.
(家を失ってしまう。)

これはどんどん生活が苦しくなっていく過程で「今になって家を失ってしまうことを思いついた」を意味します。

まだやり遂げていないこと

過去形で使うと、「やろうと思っていたが、まだやっていないこと」を意味します。


例文

I was going to buy a new book.
(新しい本を買う予定だった。)

これは、実際にはまだ買っていないことを意味します。
現在進行形の使用法open
近い未来?

現在進行形が未来を表すことは中学校で習います。
その際、「近い未来」に限って使われると学んだのではないでしょうか?

しかし実際には、「近い未来」といったルールではなく、他のルールが存在します。
よって、その正しいルールに沿っていれば、近くても遠くても未来を表すことができます

その正しいルールとは、準備の調った予定のことです。

準備万全の予定

例文1

I'm buying a new PC.
(新しいパソコンを買う予定です。)

現在進行形の未来は「準備の整った予定」を表します。
そしてその予定は、「近くても遠くても」現在進行形で表すことができます
よってこの文では、パソコンの資金が貯まっており、尚且つ予約までしているかもしれないことが読み取れます。


例文2

I'm going to buy a new PC.
(新しいパソコンを買う予定です。)

例文1を be going to で表しています。
文法的には全く問題のない文ですが、現在進行形を使った場合と意味が少し異なります。
be going to のページで考察している通り、be going to も「予定していること」を表します
しかし、現在進行形の文と違い「準備」までは関与していません。

I'm going to buy a new PC.
(新しいパソコンを買う予定です。)
※漠然と予定している

I'm buying a new PC.
(新しいパソコンを買う予定です。)
※パソコンを買う手配が整っている

このように、現在進行形と be going to のそれぞれが表す未来形には、「準備が整っているかどうか」の決定的な違いがあります。
現在形の使用法open
社会一般に通用する予定

未来を表すにも関わらず現在形が使われている文があります。
現在形で未来を表す場合、社会一般に通用する予定を表す場合に使われます。


例文

The bus starts at seven.
(バスは7時に出発します。)

The TV program is until ten.
(その番組は10時までです。)

現在形の未来は「社会一般に通用する予定」を表します。
ただ、現在形が表す「未来」は現在でも当てはまる事柄なので、一概に未来形とは言えないかもしれません。
現在形の用法の1つに「繰り返される事柄を表す場合」というものがあります。
例えば、

I wake up at six.
(私は6時に起きます。)

この例文は、「私自身が毎日決まって6時に起きる、繰り返しの事柄」を表しています。
もしこの文を will で表すと、

I will wake up at six.
(私は6時に起きます。)
※いつもとは違う時間に起きることを思いついた

このような解釈になります。
最初の例文にしても、バスの出発時間・テレビの終了時間は毎日(毎週、毎月)変わりませんので(もちろん時間変更する場合もありますが)、「繰り返される事柄」ということができます。
現在形が「社会一般に通用する予定」と「繰り返される事柄を表す場合」を意味することを知ったうえで、さらに "will" "be going to" "現在進行形" のそれぞれがもつ「未来形での意味」を理解していないと、未来形を理解するのは難しいです。
未来形まとめopen
未来形で使う4つの形

will
・今思いついた未来のこと
・未来の断言


be going to

・予定していること
・現状から判断して予測できること
・まだやり遂げていないこと(過去形の場合)


現在進行形

・準備万全の予定


現在形

・社会一般に通用する予定

例文比較

will と be going to

I will go to the park.
(公園に行きます。)
※今思いついたこと

I am going to go to the park.
(公園に行きます。)
※元々行く予定


will と 現在進行形

I will go to the park.
(公園に行きます。)
※今思いついたこと

I am going to the park.
(公園に行きます。)
※すでに準備が整った予定


will と 現在形

I will go to the park.
(公園に行きます。)
※今思いついたこと

I go to the park.
(公園に行きます。)
※繰り返し行っている予定


be going to と 現在進行形

I am going to go to the park.
(公園に行きます。)
※元々行く予定
I am going to the park.
(公園に行きます。)
※すでに準備が整った予定


be going to と 現在形

I am going to go to the park.
(公園に行きます。)
※元々行く予定

I go to the park.
(公園に行きます。)
※繰り返し行っている予定


現在進行形 と 現在形

I am going to the park.
(公園に行きます。)
※すでに準備が整った予定

I go to the park.
(公園に行きます。)
※繰り返し行っている予定