無生物主語
- 無生物主語とは?open
-
無生物主語とは、その名の通り、生物でないものが主語になることです。
例えば、
例文:
The heavy rain forced us to stay at home.
(大雨の為、我々は家に居るしかなかった。)
この文の主語は「大雨( The heavy rain )」です。
もちろん、雨は生きていません。
この様な生物ではない主語を無生物主語といいます。
またこの文を直訳すると、「大雨が我々を家に居ることを強いた。」となり、不自然です。
だから、この文では「我々は」を主語にして自然な日本語になるように訳しています。
無生物主語の文は、自然な日本語になるように訳して下さい。
- 用法open
-
大きく分けて3つの用法があります。
- 原因・理由を表す場合
■訳し方:「~のために、~の理由で」
例文:
An acute stomachache prevented me from going out.
(強烈な腹痛のため、私は外出できなかった。)
My insensitive statement made Merosu furious.
(私の無神経な発言でメロスは激怒した。)
- 条件・手段・方法を表す場合
■訳し方:「~すれば、~によって」
例文:
Ten hours' walk will bring you to Osaka.
(10時間歩けば大阪に着きますよ。)
That bus will take you to Osaka in five minutes.
(あのバスに乗れば5分で大阪に着きますよ。)
例文:
Fifty thousand yen will enable you to take that bus.
(5万円あればあのバスに乗れますよ。)
- 時間を表す場合
■訳し方:「~経てば、~になると」
例文:
Two more years will make you forget about her.
(後2年もすれば彼女のことを忘れるよ。)
この例文で使われている make は使役動詞です。
試験ではよく出題されますので、わからない方は使役動詞のページでチェックして下さい。
どうでしたか?以上が無生物主語の3つの用法です。
無生物主語はよく出題されますし、使いこなせるとかなり役に立ちます。
例文を覚えて感覚をつかんで下さい。
- 書き換えopen
-
無生物主語の文は、すべて書き換えが可能です。
方法は、目的語を主語にして、無生物主語を適切な副詞節にすれば(適切な言葉を加えれば)OKです。
では実際に、2の例文をそれぞれ書き換えてみます。
- 原因・理由を表す場合
■使用する接続詞:because
例文:
An acute stomachache prevented me from going out.
→She couldn't go out because she had an acute stomachache.
(強烈な腹痛のため、私は外出できなかった。)
この例文では、「外出できなかった」わけですから、because と共に couldn't を付け加えています。
例文:
My insensitive statement made Merosu furious.
→Merosu got furious because of my insensitive statement.
(私の無神経な発言でメロスは激怒した。)
この例文では、「メロスが怒った」ので、because と共に got furious を使っています。
- 条件・手段・方法を表す場合
■使用する接続詞:if
例文:
Ten hours' walk will bring you to Osaka.
→If you will walk for ten hours, you will arrive at Osaka.
(10時間歩けば大阪に着きますよ。)
この例文では、「大阪に着く」わけですから、if と共に arrive を付け加えています。
例文:
That bus will take you to Osaka in five minutes.
→If you take that bus, you will go to Osaka in five minutes.
(あのバスに乗れば5分で大阪に着きますよ。)
上の例文と同様に、この例文も「大阪に着く」なので arrive で表せますが、今回は if と共に go を使っています。
例文:
Fifty thousand yen will enable you to take that bus.
→If you have fifty thousand yen, you will be able to take that bus.
(5万円あればあのバスに乗れますよ。)
この例文では、「バスに乗れる」わけですから、if と共に be able to を使っています。
- 時間を表す場合
■使用する接続詞:when
例文:
Two more years will make you forget about her.
→When two more years pass, you will have forgotten about her.
(後2年もすれば彼女のことを忘れるよ。)
この例文では、「後2年が経つ」わけですから、when と共に pass を付け加えています。
また、未来完了の文になっています。
このように、適切な副詞節にすれば書き換えができます。
ただ、上記で使用した単語は一例ですので、意味に合う単語を選択すればそれでOKです。
- 無生物主語の文でよく使う動詞open
-
無生物主語の文で使う動詞はある程度決まっています。
1~3までに使用した動詞以外で、よく使う動詞を紹介します。
- remind 人 of~
■意味:「人に~を思い出させる」
例文:
This notebook reminds me of my school days.
(私はこのノートを見ると学生時代を思い出す。)
- permit (allow) 人 to~
■意味:「人に~を許可する」
例文:
Cell phones are not permitted in this building.
(この建物内で携帯電話は禁止されています。)
- keep(prevent) 人 from -ing
■意味:「人が~するのを妨げる」
prevent の例文は2.1や3.1にありますが、keep でも同じ意味になります。
例文:
An acute stomachache kept me from going out.
= An acute stomachache prevented me from going out.
(強烈な腹痛のため、私は外出できなかった。)
- save
■意味:「省く」
例文:
A stitch in time saves nine.
(転ばぬ先の杖。)
※ことわざ
- show
■意味:「示す」
例文:
The map showed me to the station.
(私は地図を見て駅までたどり着いた。)
- surprise
■意味:「驚かす」
例文:
The news surprised me.
(私はそのニュースに驚いた。)
surprise を使った熟語に「be surprised at~(~に驚く)」があります。
本来 surprise は「驚かす」の意味なので、この熟語は受け身にすることで「驚く」の意味になっています。
- cost
■意味:「費用がかかる」
例文:
The car cost me one million yen.
(その車は100万円かかった。)
- please
■意味:「喜ばせる、満足させる」
例文:
The CD pleases my ear.
(そのCDは耳を満足させてくれる。)
please を使った熟語に「be pleased with~(~に喜ぶ、~に満足する)」があります。
本来 please は「喜ばせる、満足させる」の意味なので、この熟語は受け身にすることで「喜ぶ、満足する」の意味になっています。
- satisfy
■意味:「満足させる」
例文:
A glass of water satisfied my body.
(コップ一杯の水で満足だった。)
satisfy を使った熟語に「be satisfied with~(~に満足する)」があります。
本来 satisfy は「満足させる」の意味なので、この熟語は受け身にすることで「満足する」の意味になっています。