JTA公認 翻訳専門職資格試験の詳細

JTA公認 翻訳専門職資格試験(Certified Professional Translator)とは?

翻訳の専門家としての能力を公的に証明できる翻訳専門職資格試験です。受験はすべてインターネットで在宅で行います。

対象言語は「英語」と「中国語」の2つです。このページでは「英語」の試験を紹介します。

テストは、大きく5つの能力を試験します。
1)言語運用能力と翻訳表現技術
2)文化背景知識と異文化理解力
3)専門知識と実務能力
4)IT運用力とサーチ力
5)マネジメント能力と職業倫理

科目は4科目です。
・本試験の3科目
 ①翻訳文法技能試験
 ②翻訳IT技能試験
 ③翻訳マネジメント技能試験
・選択の4科目目
 ④出版翻訳能力検定試験(6分野あり) or ビジネス翻訳能力検定試験(4分野あり)

本試験の3科目では、それぞれ合否判定されます。
一方、選択の4科目目は点数に応じて1〜5級で判定されます。
イメージとしては、本試験の3科目で翻訳家としての基本的な英語力を測り、選択の4科目目で自分の専門分野の英語力を測ります。

公認翻訳専門職と名乗るためには(履歴書に書くためには)、下記3つの条件をすべてクリアする必要があります。
1.本試験の3科目全てに合格
2.選択の4科目目のいずれかの分野(合計10分野の中から1つ以上)で2級以上を取得
3.2次審査(翻訳経験2年以上の実績審査)に合格

試験概要

本試験①翻訳文法技能試験

・試験時間:90分
・概要:<翻訳英文法のルール>及び<Plain Written Englishのルール>
・受験料:5,500円
・問題:
 問題1 英日 20問
 問題2 日英 10問
 問題3 英文リライト 10問
・過去問例:※一般財団法人 日本翻訳協会(JTA)WEBページより抜粋
 問題1 英日問題
 He had to make the same mistake several times before he made it in business.
 A)彼は同じ誤りを犯すことなく、事業で成功しなくてはならなかった。
 B)彼は成功する前に同じ事業で誤りを犯さなくてはならなかった。
 C)何度か同じ誤りを犯してから彼は事業で成功した。
 D)彼は同じ誤りを繰り返し、成功できなかった。
 正解:D

本試験②:翻訳IT技能試験

・試験時間:60分
・受験料:5,500円
・過去問例:※一般財団法人 日本翻訳協会(JTA)WEBページより抜粋
 Googleを使って、www.jta-net.or.jpのサイト内に限定して「翻訳」を検索するには、どのように入力するか。次の中から一つ選択しなさい。
 A)翻訳 related:www.jta-net.or.jp
 B)翻訳 link:www.jta-net.or.jp
 C)翻訳 site:www.jta-net.or.jp
 D)翻訳 intext:www.jta-net.or.jp
 正解:C

本試験③:翻訳マネジメント技能試験

・試験時間:30分
・受験料:5,500円
・問題:30問
・過去問例:※一般財団法人 日本翻訳協会(JTA)WEBページより抜粋
 翻訳作業の開始の前に発注元のクライアントに要求すべきことを述べた次の文のうち、正しくないものを1つ選びなさい。
 He had to make the same mistake several times before he made it in business.
 A)クライアントの表記ガイドや用語集(ターミノロジー)があれば提供してもらい、もしクライアントがこれらを持っていなければ、翻訳者の側から提案して確認を得ておく。
 B)使用辞書は必ずクライアントから指定を受ける。
 C)翻訳した訳文の使用目的をクライアントから聞いておく。
 D)翻訳すべき部分の前後の文やその背景の情報を、クライアントから提供してもらう。
 正解:B

選択:出版翻訳能力検定試験

・試験時間:180分
・受験料:7,700円
・概要:以下より1分野を選んで受験。※分野ごとに試験日が決まっています。ご注意ください。
 1)絵本翻訳能力検定試験
 2)ヤングアダルト・児童書翻訳能力検定試験
 3)エンターテインメント小説翻訳能力検定試験(ミステリー、SF、ファンタジー、ホラー)
 4)スピリチュアル翻訳能力検定試験
 5)一般教養書(ビジネス関連)翻訳能力検定試験
 6)一般教養書(サイエンス関連)翻訳能力検定試験
・試験結果:1級から5級までのグレードで判定
 1級:プロと認める十分な翻訳力がある
 2級:若干の修正を要するところはあるが、プロレベルの翻訳力に達している
 3級:基本的な翻訳の素養がある
 4級:英文和訳レベルから脱する必要がある
 5級:日本語力、もしくは英語力自体を見直す必要がある

選択:ビジネス翻訳能力検定試験

・試験時間:120分
・受験料:7,700円
・問題形式:英日翻訳3問、日英翻訳2問及び英文を日本語での要約1問の合計6問
・概要:以下より1分野を選んで受験。※分野ごとに試験日が決まっています。ご注意ください。
 1)IR・金融翻訳能力検定試験(英日・日英)
 2)リーガル翻訳能力検定試験(英日・日英)
 3)医学・薬学翻訳能力検定試験(英日・日英)
 4)特許翻訳能力検定試験(英日・日英)
・試験結果:1級から5級までのグレードで判定
 1級:プロと認める十分な翻訳力がある
 2級:若干の修正を要するところはあるが、プロレベルの翻訳力に達している
 3級:基本的な翻訳の素養がある
 4級:英文和訳レベルから脱する必要がある
 5級:日本語力、もしくは英語力自体を見直す必要がある

試験日

原則、年に4回実施です。毎年3月・6月・9月・12月の第一土曜日に実施です。

試験会場

インターネットによる在宅試験。

申込み方法

1.受験申請書をダウンロード
2.指定の銀行に受験料を振込む
3.デジカメ等で自分の写真を撮ってデータを受験申請書に貼り付ける
4.受験申請書を添付して指定のメールアドレスにメール送信

問合せ先

一般財団法人 日本翻訳協会(JTA)
https://www.jta-net.or.jp/about_pro_exam.html

【参考】英語 資格試験・検定試験 レベル比較表

CEFR

TOEIC

Listening & Reading

スコア

TOEIC

Speaking & Writing

スコア

実用英語技能検定

TOEFL

iBT

IELTS ケンブリッジ英語検定
  Listening Reading Speaking Writing        
C2 8.5-9.0 C2 Proficiency
C1 490〜 455〜 180〜 180〜 1級 95-120 7.0-8.0 C1 Advanced
B2 400〜 385〜 160〜 150〜 準1級 72-94 5.5-6.5 B2 First
B1 275〜 275〜 120〜 120〜 2級 42-71 4.0-5.0 B1 Preliminary
A2 110〜 115〜 90〜 70〜 準2級 A2 Key
A1 60〜 60〜 50〜 30〜 3-5級 A2 Flyers
※下記を元に管理人が作成しました。
文部科学省:各資格・検定試験とCEFRとの対照表(平成30年3月)
日本英語検定協会:英検とCEFRとの関連性について研究プロジェクト報告
ETS TOEIC:TOEIC® Program各テストスコアとCEFRとの対照表