大学受験合格体験談 黒澤さん 早稲田大学 文化構想学部
当サイトでは、大学に見事合格した受験生に、英語に関する独自インタビューを実施しています。このページでは、黒澤さんにZoomでインタビューした内容を紹介しています。
黒澤さんが英語の勉強をスタートしたのは、中学生になったタイミング。
そんな黒澤さんが進学したのは、私立栄東中学校。難関大学に毎年合格者を輩出する、中高一貫の進学校です。多くの優秀な生徒が集まる進学校にも関わらず、6年間の英語の成績は5段階の5が基本。
そんな成績優秀の学校生活ですが、最初から最後まで順風満帆だった訳ではありません。人生を左右するような大きな出来事に直面するのです。
持ち前の論理的・戦略的思考力で難所を突破してきた黒澤さんに、英語学習方法を聞いてきました。
*このページはインタビュー時の内容を元に記述しています(インタビュー実施:2023年4月7日)
勉強のモチベーションに変えた中高2つの出来事
進学した私立の難関中高一貫校、実はここは黒澤さんの第一志望ではありません。また、高校1年生の時に、成績が一時的に落ちてしまったそうです。そんな黒澤さんは、どのように気持ちを切り替えたのでしょうか。
コンプレックスをモチベーションに変換
中学校の成績は、全教科5段階の4か5でした。中でも英語は一番得意で、常に5をキープしていました。それだけの成績が取れたのは、勉強を頑張ったからだと思います。じゃあ勉強を頑張った理由は?というと、中学受験へのコンプレックスがあったからです。
実は私、中学受験を失敗しているんです。栄東が第一志望ではありませんでした。もちろん、この学校にイヤイヤ行っていた訳ではありません。自分も親も納得してこの学校に決めました。ただ正直、コンプレックスは持っていました。
そんな想いを持ちながら入学した学校でしたが、そのクラスは成績順で分かれるシステムだったんです。そこで「2年になったら上がってやろう!」と意気込んで、勉強しました。そして2年には、無事一番上のクラスに上がることができました。
あと英語に関しては、ほぼみんなが同じスタートラインじゃないですか?中学受験の勉強で差がつくわけではないし。頑張れば頑張るほど上に行ける。だから頑張れました。
中高一貫校の「中弛み」からの脱却
高校の成績も、平均すると評定 4.6/5.0 ぐらいは取れていたと思います。英語は、一番得意だったので5が多かったですね。でも、高1ぐらいに成績が一時落ちた時期がありました。理由は、中高一貫校あるある「中弛み」です(笑)
中弛みのきっかけはコロナです。コロナで学校に行けなくなって自宅学習になったのですが、家にいるとやっぱり怠けてしまいました。あと、その分の補填を夏休みに行うことになり、楽しみにしていたせっかくの夏休みに登校せざるを得なくなってしまったんです。今考えると登校はしょうがないと思いますが、学校へのモチベーションは下がってしまいましたね。
この気持を切り替えられたのは、高1の冬休みです。冬休みは学校が休みになり、自分の時間が取れるようになって余裕ができました。そこで将来について考えて、大学受験に意識を切り替えることができました。
高校1年生で実践した英語学習戦略
高1の冬から気持ちを切り替えて大学受験に向けて勉強を再開した黒澤さんは、大学受験から逆算して「いつまでに何をするか」戦略的に学習計画をに立てました。「まずは単語と文法を固めて、短文を読めるようになろうと思った」という学習計画を具体的に教えてもらいました。
単語:ユメタン1
※黒澤さんのユメタン1
単語帳で最初に使ったのはユメタン1です。これは学校指定の単語帳で一冊あたり1,000語載っています。
具体的にどうやっていたかというと、英語をみて日本語が言えるかどうかで進めていました。まずは長文を読めるようになりたかったので、「英語→日本語」がメインで勉強しました。
文法:ヴィンテージ(Vintage)
※黒澤さんのヴィンテージ
ヴィンテージは「見開き左に問題、右に説明」こんな構成になっていて、基本的には説明の部分を読んで理解するようにしてました。でも1回で完全に理解するのは難しいので、
・1周目:読んで理解する
・2周目:理解が不十分なところに付箋をはる
・3周目:付箋を貼っているところを重点的に見る
こんな感じでどんどん付箋を使って勉強してました。
参考書:基礎英文解釈の技術100
※黒澤さんの基礎英文解釈の技術100
これは、短めの英文が載っていて、それを日本語にするノウハウが学べる参考書です。100テーマあって、1テーマにつき2つの例文があります。
勉強の仕方は、ルーズリーフに英語を書いて、下に日本語訳を書いて、間違ったところをチェックするという方法です。まぁ、一般的なやり方かなぁと思います。
※黒澤さんの実際のルーズリーフ
高校2年生で実践した英語学習戦略
高1で単語と文法を勉強して短めの英文対策した後は、もう少し長い英文に対応できる力を養っていきます。
単語:ユメタン2
ユメタン1の後はユメタン2を使いました。ユメタン2も単語数は1,000語で、1が共通テストレベルに対して、2は難関大学レベルです。高2の最初はこのユメタン2を使って、高2の後半からは鉄壁の単語帳を使いました。
熟語:ユメジュク
※黒澤さんのユメジュク
構文・イディオムはユメジュクで勉強しました。高2の一年間通してやってました。ただ、熟語は忘れちゃうので、高3でもやっていましたね。
文法:ヴィンテージ+英文法ファイナル問題集
※黒澤さんの英文法ファイナル問題集
文法は、高1で使っていたヴィンテージを高2になってもちょくちょく見ていました。あと高2になってからは、文法項目のチェックを「英文法ファイナル問題集」を解いて確認してました。「英文法ファイナル問題集で全問正解できれば、その文法項目はOK」こんなイメージです。
この問題集は、問題の解説はもちろん重要事項なども載っていて、読み物としてもすごく良くって、個人的にお気に入りです。
参考書:英文解釈の技術100
※黒澤さんの英文解釈の技術100
高1の時に使っていた参考書と同じシリーズですが、これは本のタイトルに「基礎」がないやつです。基礎よりもレベルが上で長めの文になっています。難しめの構文把握の訓練にピッタリです。
長文:SKYWARD
※黒澤さんのSKYWARD
これは、長期の休みとかに学校から出される課題です。1日1題のペースで解いてましたね。
英文和訳:飛翔のための英文読解講義(応用)Part1
※黒澤さんの飛翔のための英文読解講義(応用)Part1
高2から東進ハイスクールに通っていたのですが、「西きょうじの 飛翔のための英文読解講義(応用)Part1」を受講していました。短めの文を和訳していくもので、さっきの英文解釈の技術100より少しむずかしい印象です。
「基礎英文解釈の技術100」
「英文解釈の技術100」
「西きょうじの 飛翔のための英文読解講義(応用)Part1」
この3冊で、英文和訳を完成させました。
高校3年生で実践した英語学習戦略
高3は仕上げです。過去問を解きまくって、問題形式を意識した勉強を心がけてました。
後輩に伝えたい英語を勉強するコツやツール
高1〜3年まで教材を選別し、大学受験を戦略的に勉強を進めた黒澤さん。そんな黒澤さんは、英語を勉強する時にどんなことを意識し、どんなツールを使って勉強していたのでしょうか。
私が一番意識したこと
一番意識していたのは、毎日英語に触れることです。例えば、やりきった問題集や参考書があったとしても、正解したからOKではなくて
「まだどこかに不明点があるんじゃないか?」
と自問自答して、1つの教材を深く追究して取り組んでました。
単語の覚え方
私の単語の覚え方は、イメージを頭に刷り込むように、まずは英語・日本語をパッパッパと交互に見ていきます。頭の中で黙読しながら、回数を増やして繰り返し何回も見ていました。もし日本語訳がいくつかある場合は、最初は一番重要な意味だけを覚えるようにしていました。
この時に意識したのは発音です。発音は正しく覚えたかったので、CDやアプリで正しい発音を聞いて、発音記号もしっかりとチェックしてました。
早く長文を読めるようになりたかったので、書くことにはそれほどこだわっていませんでした。ただ、今となっては反省点ですが、ライティングで正しいスペルで書けないこともありました(苦笑)
ゲーム感覚の付箋
付箋をゲーム感覚で使っていました。まぁ、友達からは「付箋貼りすぎ!」と言われたこともありますが(笑)
付箋をいっぱい貼ったことがモチベーションにつながったし、いっぱい付箋が貼っていると視覚的に「やった感」を実感できました。付箋を貼ったり取ることが楽しみになってましたね。
青と赤の色分け
ノートを取る時は、青と赤でペンを色分けしていました。
・青:まったく意味がわからなかったもの、違ったもの
・赤:微妙なニュアンスの違い
こんな感じで区別していました。ひと目で自分の課題が明確になって、効率良く復習できます。
自習室代わりの予備校
私は、高2から大学受験が終わるまで、ちょうど学校の帰り道にあった東進ハイスクールに通っていました。講座をたくさん取ったタイプではなくて、自習室を使わせてもらっていたタイプかなぁと思います。
いつも学校や家で勉強をしていると、どうしても気分が乗らない時があります。でも、予備校に行くと勉強しない訳にはいかないし、みんなが自習室で勉強している姿を見ると、刺激になるしいい意味で焦ります。
自分が集中できる場所がいくつかあると、勉強がはかどると思います。
カシオの電子辞書:EX-word
そもそも、紙ではなく電子辞書を使っているのは、運びやすいくて便利だからです。いくつかある電子辞書の中で、私は「EX-word」を使っています。
この電子辞書、単語を調べて自分で線を引くことが出来るんです。しかも、その単語は自動でリスト化されて、自分だけの単語帳になるのでめちゃ便利です。今だから話せますが、授業中のスキマ時間にこっそり見たりしていました。
あと、単語を検索すると、いろいろな辞書をまたがって検索出来る機能があるんです。普通、最初に辞書を選んで次に単語を調べますが、この辞書はいきなり単語を調べることができます。すると、複数の辞書をまたがって単語を調べてくれるので、すごい楽ちんです。
「grammarly」と「DeepL」
大学入学の直前の学校に行かなくなった時期に使っていたものです。
「grammarly」とは、文法的に正しいかどうかチェックしてくれるツールです。自分の英文が文法的に正しいかどうかチェックする時に使っていました。
次に「DeepL」とは、翻訳のwebサイトです。自分の書いた英作文が正しい日本語に直せるか、チェック機能の1つとして使ってました。
まとめ
中学受験の失敗や中高一貫校の中弛みをモチベーションに変えた黒澤さん。その英語学習のスタイルは、行きあたりばったりの学習ではなく、ゴールから逆算した戦略的な学習。
そんな黒澤さんの学びのノウハウは、多くの人に参考になるのではないでしょうか。気になる人は、黒澤さんのマネをしてみてください。