挿入構文の解説

1.挿入構文とは?

文中や文の最後に語句、節が挿入(付加)され、意味を付け足します。
多くの場合、挿入句(節)は文中でカンマとカンマにはさまれています(カンマがない場合もあり)。
挿入部分を無視しても、それ以外の語句で文の構造が成立していたら、それは挿入と見なすことができます。

また、カンマの代わりに、ダッシュや括弧が用いられている場合もあります。これだと、挿入であることは見破りやすいです。

語句や節を挿入する場所は以下の2パターンです。

1.be動詞の後ろ
2.助動詞・一般動詞の前

そしてこれ以外にも、文末に付け加えることが可能です。

2.挿入される場面

1 副詞的な語、句、節

文中(末)に副詞的な語、句、節が挿入されます。

例文:

It is, however, impossible for us to live eternally.
しかしながら、永遠に生きることは不可能である。)

He accepted, after all, his boss’s demand to working abroad.
(彼は結局、海外勤務という上司の要請を受け入れた。)

This way, for example, helps you save time to cook.
(このやり方だと、例えばあなたの料理の時間を節約できますよ。)

I will, of course, attend the next meeting.
もちろん、次の会議には出席するつもりです。)

挿入句(節)は文中だけではなく、文末に置く場合もあります。

She is a hard worker, no doubt.
(彼女がよく働くのは疑いもありません。)

他に挿入できる語句としては、以下のようなものがあります。

・indeed 「まったく、たしかに」
・therefore 「従って、それゆえに」
・at least 「少なくとも」
・so to speak 「いわば」
・strange to say 「おかしなことに」
・to be sure 「確かに、もちろん」
・on the whole 「概して(全体として見てみると)」
・broadly (roughly) speaking 「おおざっぱに言うと」
・generally speaking 「一般的に言って」 等

2 主節

次はS+Vという節の形で挿入される場合について、お伝えします。

例文:

That music is, I think, a little noisy.
(あの曲は、少しうるさいと思う。)

She is, as far as I know, from England and learning Korea now.
私の知っている限りでは、彼女はイギリス出身で、現在韓国語を学んでいます。)

He must have been, I imagine, a police man.
(彼は、想像するに、警察官だったにちがいない。)

This cleaner is useful and what is more, inexpensive.
(この掃除機は、便利な上に高くなかった。)

He was, as it were, a liar.
(彼は、いわばうそつきです。)

Noh is, as you know, Japanese culture.
ご存じのとおり、能は日本の文化です。)

他にも以下のような節を挿入することができます。

・I believe 「〜と信じています」
・I hope  「〜を望んでいるのですが、」
・I am afraid 「〜を恐れているのですが」
・do you think 「〜をどう思われますか」 等

3 慣用表現

例文:

It is difficult, if not impossible, to fish in that pond.
(あの池で魚を釣るのは、不可能とまでは言えないにしても、難しい。)

He seldom, if ever, clean his room.
(彼は、めったに部屋を掃除しない。)
※“if ever”は、「たしかに、しかり」という意味で使われています。

What do you suppose made her angry?
(何が彼女を怒らせたと思いますか。)
※これは、カンマがない挿入節です。“do you suppose ”の部分を( )に入れてみると、文の構成が成り立っていることがわかります(この文は第5文型SVOC)。

There are few, if any, such evil men.
(そんな悪い人はたとえいたとしてもごく少ない。)

英文をたくさん読んでいると、「これは挿入だな」と勘が働いて、すぐにわかるようになるものです。挿入に使われる語句や節にしっかりと目を通して、勘を養っておきましょう。