動名詞の解説

1.動名詞とは?

1 動名詞の形…〜ing

動名詞は、動詞の原形に 〜ing がついたものです。進行形でも 〜ing 形を使いますが、進行形の〜ing は現在分詞といい、ここで学習する動名詞とは少し違います。

2 動名詞の意味…〜すること

「〜すること」を意味します。不定詞名詞的用法と同じです。

3 動名詞の働き…主語・補語・目的語

文中では名詞と同じ働きをするので、主語・補語・目的語のいずれかになります。

2.動名詞の文

1 主語になる文

主語になる場合は「〜することは」「〜することが」を意味する時です。

例えば、「読書は私の趣味です。」この文の主語の「読書は」を表現する場合に動名詞使います。

では実践です。上の例文を英作文します。

まずは、「読書は」を英語に直します。読書=本を読むこと なので、動名詞 〜ing の形を使います。すると、「reading books」この形になります。これが主語です。

例文: 読書は私の趣味です。

⇒ まずは単語に

   読書は     私の趣味  です。

( reading books )  ( my hobby ) ( is ).

⇒ これを 主語+述語+〜. に並べると、

Reading books is my hobby.(完成)

これで完成です。「〜すること」の部分を 〜ing で表すだけです。では、他の例文を挙げます。参考にして下さい。

例文:

Playing games is great fun.

ゲームをすることはすごく楽しいです。)

Listening to music is good for your health.

音楽を聞くことは健康に良いです。)

2 補語になる文

補語になる場合は、「〜すること」を意味します

さて、1で学習した「読書は私の趣味です。」という文。

ここで注目して欲しいことは、今の文が第2文型になっていることです。

Reading books  is  my hobby.

    S     V    C

第2文型は S+V+C の形で、S=C になるのが特徴でした。この文では、「読書=私の趣味」この形が成り立ちます。

ということは、S と C を入れ替えても文が成り立つのではないでしょうか。日本語の文で入れ替えると、

「読書は私の趣味です。」

→ 「私の趣味は読書です。」

見事に成り立ちました。実はこの形こそが、動名詞の補語になるパターンなのです。では、1つずつ英作してみます。

例文: 私の趣味は読書です。

⇒ まずは単語に

私の趣味は     読書     です。

( my hobby ) ( reading books )  ( is )

⇒ これを 主語+述語+〜. に並べると、

My hobby is reading books.(完成)

これで完成です。ではもう少し例文を挙げます。

例文:

Her hobby is making dolls.

(彼女の趣味は人形を作ることです。)

Their wish is winning the game.

(彼らの願いはその試合に勝つことです。)

3 目的語になる文

目的語になる場合は、「〜することを」「〜することが」を意味し、次の形になっています。主語+動詞+動名詞+〜.では早速例文です。

「2時間前に雨が降り始めた。」

まずは、この文の述語「降り始めた」を英訳します。この「降り始めた」という表現を、少し変えて

「降り始めた」

→ 「降ることが始まった」

これで「〜することが」の形になりました。これを動名詞で表すと、「began raining」となります。では、これを使って全文を英作します。

例文:

2時間前に雨が降り始めた(降ることが始まった)。

⇒ まずは単語に

  2時間前に 雨が降り始めた。

( two hours ago ) ( began raining )

⇒ 天気の主語は( it )

⇒ これを 主語+述語+〜. に並べると、

It began raining two hours ago.(完成)

これで完成です。ではもう少し例文を挙げます。

例文:

I like taking pictures.

(私は写真を撮るのが好きです。)

They hate telling a lie.

(彼はうそをつくことが嫌いです。)

3.動名詞と不定詞の違い

よくある質問に、「不定詞と動名詞、どちらを使ったらいいのかわからない。」というのがあります。まったくその通りですよね。「ほとんど意味は同じだよ。」と習ったのに、いざテストではバツになっていたり・・・

分からない一番の原因は、覚えていないことです。英語は暗記です。身に付けるまで何回も繰り返し勉強する以外にありません。では、解説していきます。以下の1〜4を完全に暗記して下さい。

1 動名詞・不定詞の両方が使える動詞

  • begin(始まる)
  • start(始まる)
  • like(好き)
  • hate(嫌う)
  • intend(〜するつもり)
  • prefer(〜を好む) 等

これらの動詞は、直後に動名詞との不定詞どちらでも来ることができます。

例文: 私はテレビを見るのが好きです。

[動名詞] I like watching TV.

[不定詞] I like to watch TV.

2 動名詞だけ使える動詞

  • enjoy(楽しむ)
  • finish(終える)
  • avoid(さける)
  • give up(あきらめる)
  • mind(気にする) 等

これらの動詞は、直後は動名詞のみ来ることができます。

例文:

He gave up buying a new CD.

(彼は新しいCDを買うのをあきらめました。)

Would you mind speaking more slowly?

(もっとゆっくり話していただけませんか。)

3 不定詞だけ使える動詞

  • want(したい)
  • hope(望む)
  • decide(決心する)
  • expect(期待する)
  • promise(約束する) 等

これらの動詞は、直後は不定詞のみ来ることができます。

例文:

She expected not to rain.

(彼女は雨が降らないことを期待していました。)

He decided to run in an election.

(彼は選挙に出馬することを決心しました。)

4 動名詞と不定詞で意味が変わる動詞

  • try
  • stop
  • forget
  • remember 等

これらの動詞は、動名詞と不定詞で意味が変わります。以下の例をみて、それぞれの意味の違いをチェックして下さい。

例文: try

[動名詞]…試しに〜する

I tried writing a letter in Spanish.

(私は試しにスペイン語で手紙を書いてみました。)

[不定詞]…〜しようと努める

I tried to write a letter in Spanish.

(私はスペイン語で手紙を書くよう努めました。)

例文: stop

[動名詞]…〜を辞める

He stopped smoking.

(彼はタバコを辞めました。)

[不定詞]…〜するために立ち止まる

He stopped to smoke.

(彼はタバコを吸うために立ち止まりました。)

例文: forget

[動名詞]…過去の出来事に対して忘れない

We will never forget meeting you.

(我々は君に出会ったことを忘れないだろう。)

[不定詞]…未来の出来事に対して忘れない

Don’t forget to meet me.

(私に会うことを忘れないで。)

例文: remember

[動名詞]…過去の出来事に対して覚えている

I remember calling him.

(私は彼に電話したことを覚えています。)

[不定詞]…未来の出来事に対して覚えている

I remember to call him.

(私は彼に電話することを覚えています。)

以上です。動詞を覚える時は、意味だけでなくこのような用法も辞書で確認して下さい。