1.受け身とは?
受け身とは、「〜される」を意味する表現です。「be動詞+過去分詞」の形を使います。「受動態」と呼んでも構いません。
受け身(受動態)
・意味:「〜される」
・形:「be動詞+過去分詞」
be動詞の後ろに来る過去分詞を知らないと英作できません。大変ですが、教科書や辞書で確認して覚えていくしかありません。ちなみに、「〜する」の形の普通の文を能動態といいます。
本題に入る前に、まずは能動態の文をみて下さい。
I like this book.
この文を受け身の「〜される」の文にしてみます。やり方はシンプルです。
日本語で主語と目的語を入れ換えて、同じ意味の文を作ると自然に受け身の文になります。
・主 語=私は
・目的語=この本が
これを入れ換えると、
「この本は私に好かれています。」
このように、受け身の文ができあがります。受け身が苦手な人は、まずは日本語で考えると理解しやすいと思います。
2.受け身の英作文
1 肯定文
主語+be動詞+過去分詞+〜 by+人.
「…(誰)によって」を表す場合は by を使います。
例文: この本は私に好かれています。
⇒ まずは単語に
この本は 私に 好かれています。
( this book )( by me ) ( is liked ).
⇒ これを 主語+述語+〜. に並べると、
This book is liked by me.(完成)
これでOKです。
受け身の英作手順をシンプルにまとめると、以下の通りです。
・主語と目的語を入れ換える
・be動詞+過去分詞の形にする
・必要に応じて by+人 を加える
この流れで英作をすれば受け身が完成します。
また、受け身の文はbe動詞の文なので、>> 過去形 や >> 未来形 にするには、「be動詞を過去にする」「will をつける」だけでOKです。
例文:
[過去形]
The story was written by him ten years ago.
(その話は10年前に彼によって書かれました。)
[未来形]
A new building will be built here.
(ここに新しいビルが建てられるでしょう。)
2 否定文
主語+be動詞+not+過去分詞+〜 by+人.
受け身は be動詞の文なので、否定文は「be動詞+not」の形にします。未来形の場合は「will not be+過去分詞」にして下さい。
例文:
[現在形]
This story is not written by him.
(この話は彼によって書かれません。)
[過去形]
This story was not written by him.
(この話は彼によって書かれませんでした。)
[未来形]
This story will not be written by him.
(この話は彼によって書かれないでしょう。)
3 疑問文
be動詞+主語+過去分詞+〜 by+人.
受け身は be動詞の文なので、疑問文は be動詞を文頭にします。未来形の場合は will を文頭にして下さい。
例文:
[現在形]
Is this book bought by her?
(この本は彼女によって買われますか。)
[過去形]
Was this book bought by her?
(この本は彼女によって買われましたか。)
[未来形]
Will this book be bought by her?
(この本は彼女によって買われる予定ですか。)
「はい」の場合
Yes, +主語+be動詞.
「いいえ」の場合
No, +主語+be動詞+ not.
疑問文に合わせて主語を変化させて下さい。ただし、未来形の場合は will を使って答えてください。
例文:
[疑問文]
Is this book bought by her?
(この本は彼女によって買われますか。)
[答え]
Yes, it is.
(はい、買われます。)
No, it isn’t.
(いいえ、買われません。)
[疑問文]
Was this book bought by her?
(この本は彼女によって買われましたか。)
[答え]
Yes, it was.
(はい、買われました。)
No, it wasn’t.
(いいえ、買われていません。)
[疑問文]
Will this book be bought by her?
(この本は彼女によって買われる予定ですか。)
[答え]
Yes, it will.
(はい、そうです。)
No, it won’t.
(いいえ、ちがいます。)
3.受け身の応用
1 S+V+O+不定詞の受け身
>> S+V+O+不定詞 の文を受け身にするには、過去分詞の直後に不定詞を持っていきます。
例文:
[能動態]
I asked him to use his pen.
(私は彼に彼のペンを使っていいか尋ねた。)
[受け身]
He was asked to use his pen by me.
(彼は私に彼のペンを使っていいか尋ねられた。)
2 第4文型の受け身
>> 第4文型 は、「S+V+O+O」の目的語が2つある文です。目的語が2つあるので、どちらを主語にするか迷うと思います。しかし実は、これにもパターンがあります。
○ どちらの目的語も主語にできるパターン
例文:
My father gave me a bat.
(父は僕にバットをくれました。)
[間接目的語(人)が主語]
I was given a bat by my father.
(私は父にバットを与えられました。)
[直接目的語(物)が主語]
A bat was given to me by my father.
(バットは父によって私に与えられました。)
※この場合は「〜に」を意味する to が必要です。
○ 一方の目的語だけ主語にできるパターン
このパターンは、日本語でOKなので完成した文を想像するとわかると思います。一度両方で例文を作ってみますので、見比べて下さい。
例文:
She made him a cake.
(彼女は彼にホットケーキを作った。)
[間接目的語(人)が主語]
× He was made a cake by her.
(彼は彼女によってケーキに作られた。)
※ありえないことです…
[直接目的語(物)が主語]
○ A cake was made for him by her.
(ケーキは彼女によって彼のために作られた。)
※この場合は「〜のために」を意味する for が必要です。
2つをみると一目瞭然です。間接目的語(人)を主語にした文は明らかにおかしいです。どちらの目的語を主語にするのかわからない場合は、1度両方の目的語で受け身を作ってから判断すればいいと思います。
3 第5文型の受け身
>> 第5文型 は、「S+V+O+C」の文です。第5文型の場合は、O(目的語)を主語にして受け身を作ることができます。
例文:
[能動態]
I will name my dog Boss.
(私は自分の犬にボスと名づけるつもりです。)
[受け身]
My dog will be named Boss by me.
(私の犬は私にボスと名づけられるでしょう。)
4 Who が主語の疑問文の受け身
By whom+be動詞+〜+過去分詞?
Who が主語の文を受け身にするには、「By whom+be動詞+〜+過去分詞?」の形を使います。
例文:
[能動態の疑問文]
Who discovered America?
(誰がアメリカを発見しましたか。)
[受け身の疑問文]
By whom was America discovered?
(アメリカは誰によって発見されましたか。)
5 原形不定詞の受け身
知覚動詞や使役動詞を使う >> 原形不定詞 の文を受け身にするには、「be動詞+過去分詞+to」の形にします。to を加えることを忘れないで下さい。
例文:
[能動態]
I saw her go into the building.
(私は彼女がビルに入るのを見ました。)
[受け身]
She was seen to go into the building by me.
(彼女はビルに入るのを私に見られました。)
[能動態]
My father makes me clean my room.
(お父さんは私に部屋を片付けさせます。)
[受け身]
I am made to clean my room by my father.
(私はお父さんに部屋を片付けさせられます。)