1.分詞構文
1 分詞構文の働き
まずは例文を見て下さい。
例文:
Having no money, I didn’t buy the book.
(お金が無かったので、その本を買わなかった。)
この文には接続詞がないのに、「〜ので」と、接続詞があるような意味になっています。
では、この文を接続詞を使って書き換えてみましょう。
Because I had no money, I didn’t buy the book.
このようになります。
上の文のように、「接続詞+主語+動詞+〜 → 分詞+〜」の形になったものを分詞構文といいます。
簡単に言うと、「接続詞と主語を省略して分詞で表した文」のことです。
2 分詞構文の意味
分詞構文の意味は大きく分けると5つあります。
理由 | 時間 | 時間(同時) | 条件 | 譲歩 | |
---|---|---|---|---|---|
意味 | 〜だから | 〜のとき | 〜ながら | 〜ならば | 〜としても |
〜なので | 〜の後 | 〜すると | 〜だけども | ||
接続詞 | since | when | while | if | though |
because | after |
これらすべての意味を分詞構文は持っています。ということは、いままでこれらの接続詞を使ってきた文は、すべて分詞構文に書き換えられるということです。
書き換えの解説は後々しますので、まずはこの表と下の例文をまるまる暗記して下さい。
例文:
[理由]
Having a cold, I saw a doctor yesterday.
(風邪をひいたので、私は昨日医者にみてもらいました。)
[時間]
Going to Tokyo, he watched a baseball game at the stadium.
(東京に行ったとき、彼は球場で野球を見ました。)
[同時]
Walking down the street, I found a 1000-yen bill.
(道を歩いていると、1000円札を見つけた。)
[条件]
Studying hard everyday, you’ll pass the exam.
(毎日熱心に勉強すると、君は試験に合格するだろう。)
[譲歩]
Admitting that you completed it, I can’t trust you.
(君がそれを完成したことは認めたとしても、僕は君を信用できない。)
例文さえ覚えてしまえば、あとはパターン化できます。しっかりと覚えて下さい。
2.分詞構文の応用
1 分詞構文からの書き換え
では、順を追いながら1.2の例文を書き換えてみます。
例文:
Having a cold, I saw a doctor yesterday.
a.日本語に訳して、どの接続詞が適当か選ぶ。
コンマの前後を訳してみて、接続詞を断定します。
「風邪を引く」と「昨日医者にみてもらった」の2文をつなぐには、“〜ので” が適当です。だから because を使います。
Because having a cold, I saw a doctor yesterday.
b.主語を見つける。
コンマ以下の文と同じ主語にします。だから I を使います。
Because I having a cold, I saw a doctor yesterday.
c.時制を判断し、分詞をその時制に合わせる。
コンマ以下の文が過去形なので分詞を過去形にします。だから had を使います。
Because I had a cold, I saw a doctor yesterday. (完成)
a 〜 c さえできれば、他に変更する部分はありません。
どうでしょうか?最初は難しいと思います。何回も練習して、パターンを覚えて下さい。では、1.1にある残りの例文も書き換えておきます。
[時間]
When he went to Tokyo, he watched a baseball game at the stadium.
[同時]
While I was walking down the street, I found a 1000-yen bill.
※ while は同時を表すので進行形を使う場合もあります。
[条件]
If you study hard everyday, you’ll pass the exam.
[譲歩]
Though I admit that you completed it, I can’t trust you.
2 分詞構文への書き換え
1とは逆の書き換えです。これもパターンさえ覚えれば、あとは単語を変えるだけで応用できます。
例文:
Because I overslept this morning, I was late for school.
(私は今朝寝坊したので学校に遅れました。)
この文を分詞構文にしてみます。
a.接続詞を省く
接続詞は Because です。これを省略します。
Because I overslept this morning, I was late for school.
b.主語を省く。ただし、異なる場合は残す。
コンマの前後で主語が同じならば省略します。しかし、異なれば残さなければいけません。この文は両方 I なので省略します。
Because I overslept this morning, I was late for school.
c.動詞を分詞にする。
過去形でも現在形でも -ing にします。
Because I Oversleeping this morning, I was late for school.
これで完成です。これもたくさん練習して、パターンを覚えて下さい。
3 主語の異なる文の分詞構文(独立分詞構文)
先ほどの2でも少し触れましたが、コンマの前後で主語が違う場合は、主語を省略することはできません。
このような分詞構文を、独立分詞構文と呼びます(※ >> 分詞構文(応用) でも独立分詞構文を紹介しています)。
例文:
If it is fine tomorrow, I will go hiking.
(もし明日が晴れなら、私はハイキングに行きます。)
この文を分詞構文にしてみます。
a.接続詞を省く
これは主語が同じ文と変わりません。接続詞は If です。これを省略します。
If it is fine tomorrow, I will go hiking.
b.主語を省く。ただし、異なる場合は残す。
主語は it と I です。異なるので残します。
If it is fine tomorrow, I will go hiking.
c.動詞を分詞にする。
動詞は is なので、原形に ing をつけて being にします。
If It being fine tomorrow, I will go hiking.
これで完成です。英語が得意な人ほどこの形に違和感を持ちますが、使っていくうちにすぐに慣れます。
4 受け身の分詞構文
これはすごく出題されます。しっかりと覚えて下さい。
例文:
Because my bag was stolen, I couldn’t go there.
(カバンを盗まれたので私はそこに行けなかった。)
気の毒なこの文を分詞構文にしてみます。
a.接続詞を省く
これまでと同じ方法です。接続詞は Because です。これを省略します。
Because my bag was stolen, I couldn’t go there.
b.主語を省く。ただし、異なる場合は残す。
これまでと同じルールです。この文は異なるので残します。
Because my bag was stolen, I couldn’t go there.
c.動詞を分詞にする。
これまでと同じです。動詞は was なので being にします。
Because my bag being stolen, I couldn’t go there.
d.受け身の being は省略する。
そうです、受け身の分詞構文にはこんなルールがあるのです。だからこそよく出題されます。
Because my bag being Stolen, I couldn’t go there.
→「My bag stolen, I couldn’t go there.」
これでやっと完成です。受け身の being は省略することを覚えて下さい。