関係副詞の解説

1.関係副詞とは?

1 関係代名詞との違い

関係副詞は関係代名詞と似ています。しかし少しだけ相違点があるので、まずはその相違点から解説したいと思います。

すこしややこしいので、わかりやすくするために数学の証明の要領で違いを説明します。
では、下の3つの形をよく見てください。特にA〜Cの文に注目です。

[関係代名詞の文]
That is a tall building.
+I build it.
= That is a tall building which I build.・・・A
(あれは私が建てた高いビルです。)

[関係代名詞+前置詞の文]
That is a tall building.
+I live in it.
= That is a tall building which I live in.
(あれは私が住んでいる高いビルです。)

これは関係代名詞が前置詞の目的語になっているので、
「前置詞+関係代名詞」
に書き換えられます。

= That is a tall building in which I live.・・・B

この書き換えが分からない方は >> 関係代名詞の応用 でチェックして下さい。

[関係副詞の文]
That is a tall building.
+I live in it.
= That is a tall building.
+I live there.(there = in it)
= That is a tall building where I live.・・・C
(あれは私が住んでいる高いビルです。)

まずは関係代名詞の文Aを見てください。
・That is a tall building which I build.・・・A
元々関係代名詞は2文をくっつける働きがあるので、接続詞の役割を果たしています。
さらに、代名詞の代わり ( A の文では it ) にもなっているので、次のことがわかります。

関係代名詞=接続詞+代名詞

次に関係副詞の文Cを見てください。
・That is a tall building where I live.・・・C
2文をくっつけて、さらに副詞 ( C の文では there ) の代わりにもなっているので、次のことがわかります。

関係副詞=接続詞+副詞

そして最後に B、C を見比べて下さい。
・That is a tall building in which I live.・・・B
・That is a tall building where I live.・・・C
それぞれ元々全く同じだった2文をくっつけて、意味が同じの文が出来上がっています。
よって、in which と where は全く同じ意味です。これからは次のことがわかります。

前置詞+関係代名詞=関係副詞

以上のことから、

・関係代名詞 = 接続詞+代名詞
・関係副詞  = 接続詞+副詞
・関係副詞 = 前置詞+関係代名詞

これらの働きをしていることがわかります。そしてこれらが、関係代名詞との違いです。

2 関係副詞と先行詞の種類

関係代名詞と同様に、先行詞があります。関係副詞の先行詞はある程度決まっています。まずは下の表を暗記して下さい。

先行詞 関係副詞 前置詞+関係代名詞
場所(place, station 等) where at, in, on, to+which
時(time, day 等) when
理由(the reason) why for which
方法(the way) how in which

3 用法

関係副詞は、読んで字のごとく副詞の働きをしますので、主語・補語・目的語にはなれません

2.関係副詞の英作文

「関係副詞=前置詞+関係代名詞」の関係を知っていれば、それほど難しくありません。

1 where(場所)

先行詞 関係副詞 前置詞+関係代名詞
場所(place, station 等) where at, in, on, to+which

例文:

I can’t remember the house.
I was born in it.

この2文を1つにしてみます。

○ まずは関係代名詞で
I can’t remember the house which I was born in.

○ 前置詞 in を関係代名詞の直前に持っていく
I can’t remember the house in which I was born.

○ 関係副詞=前置詞+関係代名詞なので
I can’t remember the house where I was born.
(自分が生まれた家を思い出せない。)

これで完成です。先行詞が場所(the shop)なので、関係副詞 where を使います。

また別の考え方ですが、例文の「in it」は、副詞の「there(そこで)」に置き換えられるので、
○ in it を there に置き換える
I can’t remember the house.
I was born in it. → I was born there.

○ 関係副詞=接続詞+副詞なので
I can’t remember the house where I was born.

このように考えて英作してもOKです。いずれにせよ、自分がやりやすい考え方で、関係副詞の英作文ができたらOKです。

2 when(時)

先行詞 関係副詞 前置詞+関係代名詞
時(time, day 等) when at, in, on, to+which

例文:

A festival will be held in June.
I was born in June.

この2文を1つにしてみます。

○ まずは関係代名詞で
A festival will be held in June which I was born in.

○ 前置詞 in を関係代名詞の直前に持っていく
A festival will be held in June in which I was born.

○ 関係副詞=前置詞+関係代名詞なので
A festival will be held in June when I was born.
(祭りは私が生まれた6月に行われるようです。)

これで完成です。先行詞が時(June)なので、関係副詞 when を使います。

3 why(理由)

先行詞 関係副詞 前置詞+関係代名詞
理由(the reason) why for which

例文:

This is the reason.
He didn’t come for it.

この2文を1つにしてみます。

○ まずは関係代名詞で
This is the reason which he didn’t come for.

○ 前置詞 for を関係代名詞の直前に持っていく
This is the reason for which he didn’t come.

○ 関係副詞=前置詞+関係代名詞なので
This is the reason why he didn’t come.
(これが彼が来なかった理由です。)

これで完成です。先行詞が理由(the reason)なので、関係副詞 why を使います。

4 how(方法)

先行詞 関係副詞 前置詞+関係代名詞
方法(the way) how in which

例文:

This is the way.
He went to Osaka in a car.

この2文を1つにしてみます。

○ まずは関係代名詞で
This is the way which he went to Osaka in.

○ 前置詞 in を関係代名詞の直前に持っていく
This is the way in which he went to Osaka.

○ 関係副詞=前置詞+関係代名詞なので
This is the way how he went to Osaka.
(このようにして彼は大阪に行きました。)

これで完成です。先行詞が方法(the way)なので、関係副詞 how を使います。

ただこの場合は、先行詞の「the way」、もしくは関係副詞の「how」を省略することがほとんどです。

[the way を省略]
This is how he went to Osaka.
[how を省略]
This is the way he went to Osaka.

以上が4つの関係副詞の説明です。ちょっと長い解説になってしまいましたが、案外と関係代名詞よりも楽に使いこなせると思います。

3.関係副詞の非制限用法

>> 関係代名詞の用法 に制限用法と非制限用法があるように、関係副詞にもあります。
関係副詞の非制限用法は「when」と「where」のみあります。制限用法と非制限用法の詳細は >> 関係代名詞の用法 をご覧下さい。

1 when → and then に置き換えられる

非制限用法の when は and then に書き換えることができます。

例文:

[非制限用法]
I came home at night, when my wife opened the door.
(私は夜中に家に帰ったが、その時妻がドアを開けた。)

[and then の書き換え]
I came home at night, and then my wife opened the door.
(私は夜中に家に帰ったが、その時妻がドアを開けた。)

このように書き換えることが可能です。

なお、この非制限用法を制限用法に書き換えてみると、

[制限用法]
I came home at night when my wife opened the door.
(私は妻がドアを開けた夜中に家に帰った。)

このように、意味がよくわからない文章になってしまいます。
非制限用法と制限用法では意味が異なる場合があることを覚えておいて下さい。(※詳細は >> 関係代名詞の用法 をご覧下さい。)

2 where → and there に置き換えられる

非制限用法の where は and there に書き換えることができます。

例文:

[非制限用法]
I went to the park, where I saw a suspicious person.
(私は公園に行き、そこで不審な人物を見た。)

[and there の書き換え]
I went to the park, and there I saw a suspicious person.
(私は公園に行き、そこで不審な人物を見た。)

このように書き換えることが可能です。

なお、この非制限用法を制限用法に書き換えてみると、

[制限用法]
I went to the park where I saw a suspicious person.
(私は不審な人物を見た公園に行った。)

1の例文と違い、意味は通じます。しかしこの場合は、時間の前後をはっきりするために大過去を使うほうが良いです。

[大過去]
I went to the park where I had seen a suspicious person.
(私は不審な人物を見た公園に行った。)

大過去の詳細は >> 過去完了 をご覧下さい。