冠詞の解説

1.冠詞とは?

名詞の直前につき、どのような名詞なのかを説明する語を冠詞といいます。不定冠詞 ( a, an ) と、定冠詞 ( the ) があります。

a や the は、すでに知っていると思います。しかし、どちらを付ければいいのかわからないことがよくあります。それぞれの用法をしっかりと学んで、正しく冠詞を使えるようになって下さい。

2.不定冠詞の意味と用法

不定冠詞とは a や an のことです。5つの意味を紹介します。

1 一つの

a+名詞

これは一番有名な a の意味です。次にくる名詞が母音で始まる場合は an にして下さい

例文:

I want a pair of socks.

(私は靴下1足が欲しい。)

He waited his friends for an hour.

(彼は友達を1時間待った。)

※ hour は h から始まる単語ですが、母音から始まる発音なので an にします。

2 ある〜

a+名詞

不特定の誰か、何かを指す場合に使います。日本語では訳さないことが多いです。

例文:

A boy is standing by the post.

(ポストの側に少年が立っています。)

3 〜につき、〜ごとに

a+名詞

よく見かける表現です。必ず覚えて下さい。

例文:

They go trip five times a year.

(彼らは年に5回旅行に行きます。)

She takes piano lessons twice a week.

(彼女は週に2回ピアノのレッスンを受けます。)

4 〜というもの

a+名詞

これもよく見る表現です。

例文:

A bird flies in the sky.

鳥というものは空を飛びます。)

5 〜という人

a+固有名詞

会話文で時々ある表現です。

例文:

We had a call from a Mr. Brown.

ブラウンさんという人から電話がありました。)

3.定冠詞の意味と用法

定冠詞とは the のことです。4つの意味を紹介します。

1 既出の名詞を表す場合

the+名詞

すでに話題にあがり、何を指しているのかわかる場合は the をつけます。「その」と訳します。

例文:

I bought a book.

(私は本を買いました。)

The book was interesting.

その本はおもしろかったです。)

2 話題にないが特定できる場合

the+名詞

まだ話題にはあがっていないものの、状況でわかる場合は、初めて使用する場合でも the を使います。

例文:

Please pass me the salt.

その塩をとって下さい。)

3 ただ1つしかないもの

the+名詞

太陽や地球など、1つしかないもの(必ず特定できるもの)には the をつけます。

  • the sun (太陽)
  • the earth (地球)
  • the left (左)
  • the west (西) 等

4 〜の人

the+形容詞

「〜 people」というかわりに、「the 〜」という場合があります。

  • young people = the young (若い人たち)
  • old people = the old (年配の人たち)

4.冠詞が不要な場合

名詞すべてに冠詞が必要ではなく、a や the がいらない場合もあります。以下に例を挙げますので、全部覚えて下さい。

1 食事

食事を表す名詞には冠詞は不要です。

例文:

I ate lunch at the restaurant.

(私はレストランで昼食を食べました。)

※ただし、お食事会を意味する場合には冠詞が必要です。

例文:

I’d like to invite you to a dinner.

(あなたを夕食会に招待しようと思うのですが。)

2 交通手段

交通手段を表す場合には冠詞は不要です。

例文:

He will go there by taxi.

(彼はそこにタクシーで行く予定です。)

3 季節

季節を表す名詞には冠詞は不要です。

例文:

I like summer the best.

(私はが一番好きです。)

4 その場所ですることが目的の場合

建物や場所に冠詞があるのと無いのでは意味が違ってきます。

冠詞あり=そこに行く

冠詞なし=そこで何かをする

このように区別できます。下の例文を見て、その違いを理解して下さい。

例文:

[冠詞あり]

I go to the school.

(私は学校に行きます。)

※その場所に行く。

[冠詞なし]

I go to school.

(私は学校に行きます。)

※授業を受けに行く。

[冠詞あり]

She goes to the church.

(彼女は教会に行きます。)

※その場所に行く。

[冠詞なし]

She goes to church.

(彼女は教会に行きます。)

※お祈りに行く。