人称代名詞の解説

1.人称代名詞とは?

人称代名詞とは、人称ごとに区別された代名詞のことです。英語学習において、次の表を暗記しなければなりません。

単数
主格 所有格 目的格 所有代名詞
1人称 I my me mine
2人称 あなた you your you yours
3人称 he his him his
彼女 she her her hers
それ it its it
他名詞 Mike Mike’s Mike Mike’s
複数
主格 所有格 目的格 所有代名詞
1人称 私達 we our us ours
2人称 あなた達 you your you yours
3人称 彼ら they their them theirs
彼女ら
それら

これは、教科書・参考書・文法書等、すべての英語関連書に掲載されているだろうものです。覚えないとまったく英語がわかりません。リズムをつけて覚えると楽です。

それでは、それぞれ解説していきます。所有代名詞は別ページで解説しています。

2.格について

1. 主格

主格とは、日本語で「〜が、〜は」を意味するときに使う格です。主語として使われます。

2. 所有格

所有格とは、日本語で「〜の」を意味するときに使う格です。所有(誰のもの)をはっきりさせるときに使います。

3. 目的格

目的格とは、日本語で「〜を、〜に」を意味するときに使う格です。目的語として使われます。

格の覚え方として、まずは「は・が・の・を・に」この言葉を覚えて下さい。これはそれぞれの格につく日本語の助詞を表しています。

  • 主 格 → 〜が、〜は
  • 所有格 → 〜の
  • 目的格 → 〜を、〜に

「は・が・の・を・に」さえ覚えていれば、格の判別は楽になります。例えば次の文を見てください。

例文:

「彼女は私に、私の誕生日に自転車をくれた。」

この文に人称代名詞が3つ(彼女は、私に、私の)あります。こういった文を英作する場合、上の「は・が・の・を・に」を覚えていると、次のようにすぐに判別できます。

  • 彼女は → 〜は → 主格 → she
  • 私に → 〜に → 目的格 → me
  • 私の → 〜の → 所有格 → my

このようになり、どの格を使えばいいのかがわかります。

3.人称について

1 1人称

1人称は「自分」のことです。「俺」や「僕」も1人称です。英語で使う場合は、上の表から判断して、

  • 「私は、私が」の場合 → I
  • 「私の」の場合 → my
  • 「私を、私に」の場合 → me

このように使い分けて下さい。では例文です。

例文:

[主格]

I watch TV.

私はテレビをみます。)

[所有格]

He has lost my watch.

(彼は私の時計をなくしました。)

[目的格]

She gave me a book.

(彼女は私に本をくれました。)

2 2人称

2人称は「あなた」のことです。「君」や「おまえ」も2人称です。英語で使う場合は、上の表から判断して、

  • 「あなたは、あなたが」の場合 → you
  • 「あなたの」の場合 → your
  • 「あなたを、あなたに」の場合 → you

このように使い分けて下さい。2人称は主格と目的格が同じです。注意して下さい。では例文です。

例文:

[主格]

You sing songs.

あなたは歌を歌います。)

[所有格]

I want your bag.

(私はあなたのカバンが欲しいです。)

[目的格]

She bought a notebook for you.

(彼女はあなたにノートを買いました。)

3 3人称

3人称は「私」と「あなた」以外のことです。英語で使う場合は、上の表から判断して、

彼(男性)の場合

  • 「彼は、彼が」の場合 → he
  • 「彼の」の場合 → his
  • 「彼を、彼に」の場合 → him

例文:

[主格]

He can play tennis very well.

彼はとてもじょうずにテニスをすることができます。)

[所有格]

I don’t know his name.

(私は彼の名前を知りません。)

[目的格]

I said “Hi” to him.

(私は彼に「やあ」と言いました。)

彼女(女性)の場合

  • 「彼女は、彼女が」の場合 → she
  • 「彼女の」の場合 → her
  • 「彼女を、彼女に」の場合 → her

「彼女(女性」の場合は所有格と目的格が同じです。注意して下さい。

例文:

[主格]

She likes sports.

彼女はスポーツが好きです。)

[所有格]

I’m using her textbook.

(私は彼女の教科書を使っています。)

[目的格]

I will pick her up at six.

(私は彼女を6時に迎えに行きます。)

それ(物)の場合

  • 「それは、それが」の場合 → it
  • 「それの」の場合 → its
  • 「それを、それに」の場合 → it

「それ(物)」の場合は主格と目的格が同じです。注意して下さい。

例文:

[主格]

It is very interesting.

それはとても興味深い。)

[所有格]

I like its taste.

(私はその味が好きだ。)

[目的格]

My sister has broken it.

(私の妹がそれを壊しました。)

4.代名詞以外の名詞の格について

「父」や「妹」などの名詞、そして固有名詞でも格を区別しなければなりません。あまり意識することなく自然に区別できている方が多いですが、慣れていないうちは注意して下さい。

作り方は簡単で、所有格と所有代名詞にだけ -‘s をつければOKです。例えば、

[父の場合]

  • 父は、父が → father
  • 父の → father’s
  • 父を、父に → father
  • 父のもの → father’s

[ジョンの場合]

  • ジョンは、ジョンが → John
  • ジョンの → John’s
  • ジョンを、ジョンに → John
  • ジョンのもの → John’s

このように使い分けることが必要です。

s で終わる複数名詞の所有格について

-s で終わる複数名詞の所有格は、「’」 をつけるだけでOKです

例文:

My brother is a student at the boys’ school.

(私の弟は男子校の生徒です。)

このようになります。