大学受験合格体験談 李さん 早稲田大学 政治経済学部
当サイトでは、大学に見事合格した受験生に、英語に関する独自インタビューを実施しています。このページでは、李さんにZoomでインタビューした内容を紹介しています。
李さんが英語に初めて触れたのは、小学校4年生の時。親に言われたのがきっかけで、地元の英語教室に通い始めます。そこでの学びを通して英語の楽しさに触れ、英語が好きになりました。
そして李さんが進学したのは、中高一貫の私立進学校。毎年多くの難関有名大学合格者を輩出している学校です。学校の授業プラス独特の学習ノウハウで学び続け、大学入学共通テストの英語ではリーディング95点、リスニング96点のハイスコアを記録。
「将来は語学力を活かした仕事に就きたい。」という李さん。そんな李さんの英語学習法を聞いてきました。
*このページはインタビュー時の内容を元に記述しています(インタビュー実施:2023年4月6日)
目次
中高一貫校での学校生活
中学では「楽しそう」という理由で文化部に、高校では「交友関係を広げたい」という理由で運動部に所属した李さん。そんな李さんはどんな学校生活を送っていたのでしょうか。
好きだった英語の成績は?
中学時代の成績は、全教科平均で10段階の9〜10でした。中でも英語は得意で基本的に10、定期テストや実力テストでは学年1位をとっていました。
高校生になると、全体の平均は8〜9で、英語は8ぐらいでした。高校でも英語は好きでしたが、長文問題が少し苦手でしたね。文法や構文は問題無かったのですが、その長文のテーマ、内容そのものを把握するのが苦手でした。
毎日の勉強時間は0〜2時間
高校1〜2年の時の学校以外での勉強時間は、平均すると1時間くらいです。まったくやらない日もあれば、2時間勉強する日もありました。
取り組んだのは、英語と数学がメインでした。学校で出た課題をやっていました。例えば英語だと、単語を覚えたり、問題を解いたり、教科書を覚えたりです。テスト前になったらすべての教科を勉強する、そんなスタンスでした。
英語表現の授業で実践したポイントと工夫点
高3時の英語の授業は「表現」と「コミュニケーション」の2つ。「表現」の方は先生オリジナルのプリントをメインに進めるスタンスで、新しい文法項目を学ぶ時に使う「文法プリント」と、演習に取り組むための「演習プリント」があったそうです。
この授業に、李さんはどのような意識で臨み、どのような点を工夫して取り組んだのか、そのノウハウを教えてくれました。
パッと見て重要点が分かるプリントに仕上げる
文法プリントには、その授業で学ぶ文法の説明・例文・注意点などが書いていて、マーカーで大事な所や注意しないといけない所を強調していました。もともと抑揚が弱いプリントだったのですが、パッと見て重要時点が分かるように工夫して、学習効率を上げていました。
特にマーカーの色分けはしていません。英語で使い分ける意義を感じていなかったからです。
ちなみに、世界史の場合は、次のように色分けしてマーカーしていました。
・赤色:一番大事
・黄色:次に大事
・緑色:いまはいいけど、おいおい覚えたほうが良さそう
先生にも褒められた自由英作文を書くコツ
演習プリントは、あるお題に沿って書く自由英作文です。最初に構想を練る時間があるのですが、そこでの準備が英作文の出来を大きく左右します。英文の設計図を作る感覚です。
英作文は、闇雲に書き始めるのではなく、しっかりと論理立てて書くことが大事です。さらに、英語の表現ではなく書く内容も重要視してました。
私の場合、具体的にはこのような順序で構成します。
1.お題を確認する(大体抽象的なテーマが多い)
2.具体例を頭のなかで2〜3個イメージする
3.その中から最も書きやすい例を1つ選んで書きはじめる
4.シンプルな英語を意識して書く(難しい単語や表現は使わない)
あと、同じ表現は繰り返さないよう意識しています。同じ表現を使うことは、アメリカでは好まれないからです。
コミュニケーション英語の授業で実践したポイントと工夫点
もう1つの授業が「コミュニケーション英語」。長文を読んでそれを先生が解説するスタンスで、基本は教科書を使って進みます。
この授業では、中学から続けていた学習習慣が力を発揮します。
ディクテーションとシャドーイング
これは中学の時に先生から言われてやり始めた学習習慣なのですが、教科書についてくるCDを利用する勉強方法です。
具体的には、文章を聞くのですが、一文で一時停止して、その文章をディクテーションします。(※ディクテーション:聞いた英語を一語一句書き取ること)それで覚えた後は、シャドーイングで仕上げます。(※シャドーイング:英語を聞きながらそれを真似して発音すること)
これをやっていれば、だいたいの定期テストは乗り切ることができました。
苦手意識を解消する方法と単語暗記術
英語学習で悩んでいる多くの人に共通するのが、「苦手意識」と「単語が覚えられない」の2つ。この2つの克服方法や具体的ノウハウを聞いてみました。
病は気から、英語も気から
英語の苦手意識をなくすには、まずは「得意だと思うこと」が重要だと思います。そのためには、英語の成功体験を積み重ねるしかありません。少しでも英語に触れある機会を意識して増やしていくことが重要だと思います。
例えば、私は次のような方法で実践してきました。
・様々なシチュエーション毎にイメージトレーニングを行う
・英語圏に住んでいる親戚とビデオ通話する
・吹き替えじゃなく字幕で映画を見る
・留学している人のYoutubeを見る
覚えるべき単語を取捨選択する方法
高3の秋ぐらいから実践した方法で、もともと単語をあまり覚えていなかったし、単語帳を使って勉強するのが好きじゃなかったのでやり始めました。
具体的には、長文読解で出てきた知らない単語をメモする方法です。効率化のコツは、何回も出る単語だけを覚えようとすることです。
メモの方法は何でもいいのですが、簡単に見返せるように記録するのがポイントです。私はノートに書いたり、スマホで写真を撮ったりしていました。メモや写真だと後でいつもで見れるので、「後で覚えればいいや」と楽観的に考えられたのも良かったです。
※李さんの実際のノート
ノートには日本語の意味もメモしていたのですが、その際に使っていたのが「鉄壁」という単語帳です。鉄壁に載っていない単語は、もう覚えなくてもいいや、と割り切ってその単語はメモしません。私が受けた大学では、その単語を知らなかったところで大した差にならないと思ったからです。
イメージと音声:2ステップ暗記術
私の単語の覚え方は、まずは単語を形でなんとなく覚えます。伝え方が難しいのですが、その単語の見た目をぼんやり覚えるイメージです。
例えば know という単語、全体的に平坦だけど、左だけが上に高くなっています。kだけが膨らんでいてキモいです(笑)。まずは「脳に形を印象づける」という感覚でしょうか。
次に音を聞きまくります。今はCDなりアプリで発音が聞けるので、何回も聞いて音と単語を紐付けして行きます。
もし複数回やっても覚えにくい場合は、例文を見て微妙なニュアンスを確認したり、単語を書いたりして覚えます。
最後は気合
どうしても覚えられない場合の最終手段は、気合ですね(笑)危機感が無くて集中できていないのだと思います。気分を高めるのが大切です。
私が気合を入れる方法は、音楽を聞くことです。ノリノリのK-POPを聞いて気分を高めます。K-POPは言葉がわからないのが良いですね。言葉が理解出来ちゃうと、そっちに集中して勉強モードになりにくいので。
気分が高まったら、単語に集中するために音楽は消します。イヤホンはそのまま、耳せん替わりに使っています。
これをやれば無敵になれる!英語オススメ教材
英語が好きな李さんに、オススメの教材を聞いてみました。英語が無敵になりたい人は必見です。
文法書:Vintage(ビンテージ)
文法はVintage(ビンテージ)がオススメです。高1の夏休みに4周ぐらいしたら、文法が無敵になりました。
※李さんのVintage
1周目は、普通に解いていきます。その際、ノートなどに解答する必要はありません。択一問題なので、目で見て考えて、その答えがあっているかチェックして、もし間違えたら解説でしっかりと確認します。
2周目は、間違えた問題に付箋を貼ります。1周目で確認したにも関わらず間違ったということは、100%理解していない証拠です。
3周目以降は、付箋を貼っている問題だけを解いて、正解したら付箋を剥がします。
付箋を剥がすのが楽しくて、ゲーム感覚でやっていました。
リスニング:キムタツの東大英語 super
リスニング対策は、キムタツの東大英語 super がオススメです。高3の夏ぐらいに買って取り組みました。
※李さんのキムタツの東大英語(superではありません)
使い方は、まずは普通に解きます。間違ったところは見直すのですが、音声のスクリプトが全部テキストに載っているので、耳で聞きながら目でスクリプトを確認して、ディクテーションやシャドーイング等をして仕上げます。
これが一通り終わったあとは、鉄緑会の東大英語リスニングを買って取り組みました。
単語帳:ユメタン1と2
単語帳は、ユメタンがオススメです。中3からユメタン1を使って、高1の終わりぐらいからユメタン2に移行しました。
※李さんのユメタン
私は直接書き込むのが嫌だったので、知らない単語に付箋を貼って目立たせたり、しおりみたいなのがついているので、それで単語を隠して日本語の意味が言えるかチェックしてました。
参考書:基礎英文解釈の技術100
和訳は、この本1冊で十分。学校で使っていたのですが、頑張って真面目に取り組んだら和訳無敵になった。いい感じになりました。
私の予備校活用術
中3〜高3の卒業まで、東進に行っていました。
東進に決めた理由は、パソコンのオンデマンド授業で、自分の好きな時間に勉強出来るからです。東進で受けることが出来るし、家でベッドに寝ながら受けることも出来ます。私の場合、テンションが上がらない時は、強制的に勉強できる環境を作るため東進に行って授業を受けていました。
まぁ、でも私は主に自習室として利用していました。勉強できる場所がいくつかあると良い気分転換になります。
まとめ
独特の感性、言われたことを実践する素直さ、効率を追究する合理性を併せ持つ李さん。自分に合う勉強方法を取り入れ、時には編み出し、集中して取り組んできました。
そんな李さんのノウハウに対して、新たな発見があったり目からウロコの人もたくさんいるのではないでしょうか。気になる人は、李さんのマネをしてみてください。